限界メンヘラ死んでリセマラ

23:59と0:00の隙間を

かのじょ。

『この想いは嫉妬じゃなくて執着だよ。』

 

私にのしかかった彼女は泣きながら言っていた

 

今思えば私は彼女を自由だと思い込んで

放ったらかしにしていたかもしれない

交際関係にあっても個人の友人関係には

干渉する気はなかったからだ

 

彼女は人気者だった

頭が良くて容姿端麗

人当たりも良くて物語の主人公のようだった

そんな彼女がなぜ私に目をつけたのかは

今でもよく分からないままだ

 

彼女はよく私を家に誘った

一緒にテスト勉強をしようとか

攻略できないゲームがあるとか

読んで欲しい漫画があるだとか

至極真っ当な理由で私を呼びつけた

 

逆らうのも面倒くさくて

呼ばれたら直ぐにはい分かりましたと

LINEを返して家を出ていた

 

ある日

本当に何の変哲もない日

彼女は珍しくメッセージではなく電話をかけてきた

「今すぐ来てなんでもいいから来て」

切羽詰まったような声だった

何か緊急事態でもあったのか?

訳も分からないまま私は家を飛び出した

 

彼女の家に着いてチャイムを鳴らそうとした瞬間

ドアが開いて俯いた彼女が立っていた

別段いつもと変わりないように見えたが

スマホの画面だけが暗い玄関先で

てらてらと光っているのが分かった

顔を上げた彼女は何も言わなかったが

入ってと言わんばかりに顔を見つめられたので

恐々とした気持ちで足を踏み入れた

 

彼女の両親が帰ってくる気配もなく

兄弟もいない彼女の家は

酷くがらんとしていて寒く感じた

いつもの通りに彼女の部屋に向かう

今日は一体どうしたんだい

聞きたいことは山ほどあった

だが彼女から出ている何かが私を黙らせた

 

部屋の扉をばたんと閉めた彼女は

突然私を押し倒す

あまりに急だったので反応も出来ず

床の上に寝転がった私にのしかかった彼女は

光ひとつ宿さない死んだような目をしていた

 

そのまま何分かが過ぎた

 

「ねえ」

真一文字に結んだ口を開いた彼女は

私の眼前にスマホを突き付けた

その画面は私と私の友達とが二人で写っている

不自然なところなど何も無い写真を映していた

この写真がなぜ突きつけられているのか

全くわからない私はどうしたらいいんだろうと

無い頭をうんうんと捻った

そうしているうちに彼女はぽつぽつと話し出す

「この人は」

「君にとって」

「どういう人なの」

どういう人ってただの友達だよクラスメイトだよ

必死に弁明する私を他所に彼女は続ける

「なんで」

「なんであたしといる時より笑ってるの」

「なんであたしといる時より楽しそうなの」

ぼろぼろと泣き出す彼女

私はある言葉を思い出した

彼女と付き合い始めた時に彼女から言われたのだ

(あたし嫉妬深いから気をつけてね)

嗚呼これが所謂嫉妬なのかと納得して

嫉妬なんかしなくても大丈夫なのにと

彼女を慰めるように私は背中をさすった

 

「ちがうよ」

ぐしゃぐしゃに歪んだ顔を私に見せる彼女は

絞り出すかのように言葉を発している

『この想いは嫉妬じゃなくて執着だよ』

息付く間もなく私の首を絞める

女子とはいえどこの体制だと本当に殺されてしまう

やばいと思った私はつい彼女を殴ってしまった

床に倒れる彼女を見ながら

逃げようかどうしようか迷っていた

ゆらりと起き上がった彼女は泣き止んでいた

いつものような笑顔を見せて

ゲームしよっか、と私に話す

この子は一体なんなんだろう

突然豹変するこの子に私はどう接したらいいのだろう

そんなことを考えながらうんと答えた

 

その後一年間彼女に悩まされ続けたのは

また別のお話

 

3時間目

視力の悪いあなたの目には

私はどう映ってますか?

私と世界の境界線はぼやけて

夜景と一緒になってるのでしょうか

 

まだ肌寒い4月に私は

あなたの部屋のベランダにいました

吸い殻がぽとぽとと落ちていて

あなたがこの部屋に生きている証みたいだと

少し笑ってしまいました

 

あなたの部屋のベランダは

夜になっても明るい街並みが

煌々と私を照らしてきます

まるで地上に落ちた星のように

きらめく街並みを

あなたと同じ空間で眺めるこの時が

私はとても好きでした

 

寒いから入っておいでよ、と

布団の中からあなたは言います

まだ吸い終わってないから待って、と

ベランダで夜を眺める私は言います

 

ねぇ今あなたの目には私はどう映ってる?

眼鏡をかけていないあなたに見つめられていると

本当に私のことを見ているのかが

少しだけ心配になったのです

 

「まるで夜に溶けそう」

あなたは確かにこう言ったのです

現実主義者のあなたが

こんな詩的なことを言うだなんて

私は想定していなかったのです

 

素肌の上にあなたのシャツを羽織って

あなたと同じ銘柄の煙草を吸うような

未練がましくて汚い私を

そんな綺麗な言葉で言い表してくれるなんて

いつもはそんなこと言わないのに

つい弱みを見せてしまいました

私は泣き出してしまいました

 

どうか悟られませんようにと

あなたに背を向けて

フィルターだけの煙草を

泣き止むまで吸い続けました

 

私が泣き止んで空が明るんできた頃

あなたはすやすや眠っていました

眼鏡をかけたまま眠っていました

私の姿をきちんと見ようとしたのかもしれない

私が泣いていたことに気づいて

動こうとしていたのかもしれない

分からないことばかりで少し困ってしまい

ふふっと笑ってしまいました

 

寝ぼけているあなたにキスをして

学校に行かなきゃと呟き

私はセーラー服を着て玄関に向かいました

まだまだ寝足りないと言わんばかりの顔をした

可愛い可愛いあなたは

靴を履いた私に

今日の授業は何時間目だっけと

私を抱きしめながら聞きました

 

『3時間目ですよ、先生。』

この玄関さえ出てしまえば

私とあなたは生徒と先生の関係に戻ってしまう

少し名残惜しいけれど現実は無情だ

さようなら愛しいあなた

おはようございます大好きな先生

 

3時間目の授業でまた会いましょう。

創作の人生

私の人生はよくいいねをもらう

中学生の時に体験したことをだらだら書いただけ

なのにフォロワーは増えるわいいねは来るわ

 

私の人生を読んでどう思ったのだろう

さぞ面白かったのだろうか

憐れんだのだろうか

共感したのだろうか

皆目見当もつかない

 

私の人生を 大事な人生を

エンターテインメントとして消費しないでくれ

生憎作り話でもなんでもないんだ

私だってこんな人生歩みたくなかったさ

 

私の人生を物語のように読んでいくのはやめて

本当のことなんだから

消費しないで

受け止めて

 

全部全部本当なんだから

 

🐬

救えないなあ

なあ、知らないだろう?

どれだけ私に愛が足りていないか。

私の愛を溜めておく所はとっくの昔に割れてしまったよ。

いくら愛を流し込んでもいつかは無くなるんだ。

 

そうだ、例え話をしよう。例え話をだ。

1人からたくさんの愛を貰うのと、

複数から少しずつの愛を貰うのは、

どちらが頭のいい方法だと思う?

複数から貰う愛が同等の少なさとは限らないよ。

たまに馬鹿になった愛を押し付けて満足するようなやつだっているさ。

ほんの少しの愛を出し惜しみながらちろっと渡してくるような小心者もいるがね。

 

御生憎様、小さい私に善悪の判断などつくはずもない。

どうか愛してとたくさんの人を侍らせておきながら

はらはらと涙を流すのだ。

それに騙されるようなやつも悪いと思うが。

 

隣に生きたものが寝ている布団は暖かいよ。

安心とはこのことなのだなと幼心に思ったさ。

ふかふかの枕じゃなくても眠たくなるんだなとか

幼稚なことばかり考えて眠ったものさ。

 

私の話は八割嘘だよ。

さてこの話が嘘でない確率は?

八割嘘なのかすらも分からない。

私の言葉は全て嘘なのかもしれない。

何もかもわからないね?

全部嘘なのかもしれないね。

私という存在さえも嘘であればよかったのにと

本当に思った午前三時。

眠り損ねた。

"の"の話

楽しくもない授業を抜け出して行った校舎裏

吸殻と空き缶で溢れかえったそこは

私にとっての楽園だった

なんせそこには大好きな理科の先生が見回りに来てくれるから

煙草を吸うと何かを察知して先生は来てくれる

バシッと私の手をはたいて煙草を捨てさせる

勿体ない、と口を尖らせた私を見ないように

落ちてしまった煙草をグリグリと踏みしめる

それを見るのがたまらなく好きだった

何の感情も込めない目で潰れた煙草を見る

一種の美しさまで感じていた

歪な感情を知るために何度も何度も

授業を抜け出して煙草で落ちた肺機能に笑いながら

息も切れ切れに校舎裏に逃げ込む

あと何分で先生は来てくれるだろうか

また今日も私の手をはたいてくれるだろうか

美味しくないも煙草が意味を持ったのは

はたしてそのときだったのか

皆目見当もつかない

 

ある日先生はチョークを持ったまま校舎裏に来た

相も変わらず煙草を吸う私を一瞥して

『今日は話をしよう』

と私に笑いかけた

いや、逆光でそう見えただけかもしれない

でも確かに笑って見えた

白い歯が逆行の中で光って見えたのだ

すっと私の隣にしゃがみこんだ先生は

なんと驚くことに自分のポケットからタバコを取り出したのだ

あれほど私にやめろと言っていた煙草を

先生は何の悪気もなく取り出して吸おうとした

『火貸して』

驚いた私は持っていた百均のライターを差し出す

違うよ、と先生は私の腕を引いた

目上の人に火貸してって言われたらつけてあげるんだよ。と言って火をつけるよう促す

言われたまま火をつける

そう、手で火が消えないようにして、

すうっと吸い込んだ煙を私に吹きかける

慣れているけど慣れていない匂い

口から吸うのと鼻から吸うのとではここまで違うのかと目を丸くした

変に頭の回る私は煙草の煙を吹きかける意味を思い出そうとして足りない脳みそを少し絞った

先生はいつもよりうんと大人に見える顔で笑う

先生じゃなくてただの男の人みたい。と零す私と

先生だって人間だしただの男だよ、と言う先生

世界で1番長い50分間だったはずだ

 

先生は持っていたチョークを地面に擦り始めた

綺麗だけどどこか角張っている先生の字が

私はたまらなく好きだった

『君の字を見てみたいな』

そう、先生は私の名前を知らなかったのだ

ただの素行の悪い学年の中の一人とだけ認識していたらしい

私、先生の授業だけは途中退室しません。と少し怒り気味に言った

少し驚いた先生は私の名前を聞く

綺麗な名前だと笑ってくれた

先生の前で初めて字を書いた

手始めにひらがなカタカナ、

その次に簡単な漢字と自分の名前、先生の名前

小学校にもまともに通っていなかった私だ、

字は乱雑で汚くてとてもじゃないが人様に見せられるようなものではなかった

自分の無知さを恥じながら先生のチョークで書いた字を見て笑う先生

『丸っこくてかわいらしい字だね』

特にこれが。と五十音図の"の"を煙草で指す

先生の書く"の"とは天と地の差、月とすっぽんと言っていいぐらい本当に丸っこくて幼稚な字だった

中学生にもなってこんなに字が汚くて悲しいです。

先生に少し弱音を吐いた

本当は心配を誘うだけの言葉だったけれども。

それを聞くと先生は少しずつ話し始めた。

子供っぽい字を書いてしまうってことはまだ心が子供なのかもね、僕はもう大人になってしまったみたいだ。角張って刺さってしまいそうだろ?

灰がぽとりと落ちた

火をつけたのにも関わらず先生はあまり煙草を口にしなかった

私に親近感を湧かせようとしたのか?

今となっては聞く術もない

それから私は

生憎変わることなく煙草を吸い続けた

また先生が話に来てくれるだろうか

思い返せば淡い恋心のようなものだったかもしれない

それでも先生は来なかった

ほかの先生が私を取り囲んで指導室に連れていく

きっとあのことを怒るんだ、察しはついていた

先生の煙が私の酸素になったことを

 

先生と私がひとつになろうとしたことを。

 

 

 

うそみたいなほんとのほらばなし。

 

🐬

 

寝顔

隣で眠る妹の顔が急にぎゅっと真ん中に寄った

何か嫌な夢でも見ているのかもしれない

咄嗟に動いた手は妹の頭を撫でた

少しづつ表情が和らいでいく

あぁよかったそれならよかった

 

生産性のない毎日

お風呂に入るのもままならない精神状態

寝て起きてご飯を食べて薬飲む

そしたらまた寝て少し後悔

こんな時間になってから眠れないなと目を擦る

何も無いから眠れなくて

眠った頃には皆起きていて

自分が起きるのはそのもっとあと

皆が学校とか職場とかでわいわいきゃっきゃしてるのに

私は1人で冷たいご飯を唇にあてた

まだ帰ってこないのかなあ

そういえば妹は今日も6時間授業かあ

可愛い可愛い私の妹

10歳も差があるけど可愛くて

二重でわらうとふにってほっぺが上がって

この家に生まれた以上、私はこの子を

幸せにしてやらなければならない

男尊女卑の家庭で私は

ずっとずっと虐げられてきた

妹にはそれを知られずに生きていってほしい

せめて生まれてしまったのなら幸せになって欲しい

私の幸せを妹に渡せるのなら

限界値まで渡して不幸で死のう

 

可愛い可愛い私の妹

今日もゆっくりおやすみ。

お姉ちゃんは少しだけ起きてまた眠るよ。

おわりなら

蛍の光を流してこの人生を終わらせたい

 

小さい頃ママに連れられて行ったデパートで

1人迷子になった

途方もなく歩いていたら店内に蛍の光が流れた

閉店の合図が鳴りだした

その後ママに会えたんだっけ会えなかったんだっけ

覚えてないけど閉店の合図が何故か少し怖かった

 

なにか小さなことでもいいから

もう終わりですよーって合図が欲しい

終わらせたいのは嘘じゃないけど

突然終わられたら少し困るし驚いてしまう

終わりの合図が流れたら

あぁ終わりなのかなるほどなと納得できそう

 

一日の終わりの合図は家の時計が教えてくれる

食べ物の終わりの合図は賞味期限が教えてくれる

じゃあ人生の終わりの合図は?

それくらいあったって神様は怒らないでしょ

心の準備だよ

それくらいさせてよ

 

コマンドが純粋なら

▷たたかう

どうぐ

にげる

 

ぐらいで済んだのに純粋じゃなくなったコマンドは

▷たたかう

どうぐ

にげる

しぬ

ってコマンドを選ばせてくる

 

なるべくたたかうを選ぶことにはしているけど

いつかきっと無理になってしぬを選ぶんだろうな

しぬを選択肢の中に入れてしまったら最後、

もう無くなることはない

前には戻らない

覆水盆に返らずとはこのことでしょうか

 

疲れたので眠ります。一時的にですが。

 

🐬